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2006年02月27日 [22:54] シフ蛮勇記(小説?) 

シフ蛮勇記 第3話  別離(わかれ)

題名で 分かる?この曲 春の海
      by Mas
「・・・何か『春の海』に思い入れがあるのでしょうか?」(解説:廃人)

こんばんは、Masです。

・・・いや、上記のは「何となく」です・・・( ̄∇ ̄*)>


つ事で(どゆ事?)、今日もコレw  m(_ _)m




~ アマゾネスシフの蛮勇記 ~


~ 第3話 別離(わかれ) ~




 バルハラントを発ち、アタシ達は騎士団領に入った。
 アタシ達は直ぐにでも船でローザリアへと向かいたかったんだけど、時期が悪くて、騎士団領でちょっとした騒ぎにぶち当たっちまった。
 何でも“騎士の誇り”がどうとか言っているけど、アタシには良く分からなかった。
 何を思ったか、ソレにアルベルトの坊やがそれに首を突っ込んじまった。
「困っている人を見過ごせません」
 だとさ。自分だって急いでいる身なのに、人が良いと言うか何と言うか……。
 仕方が無いから、アタシも手伝う事にしたんだ。坊や――いや、アルベルトだけじゃ何だか危なっかしいからねぇ。

「私の攻撃を繋いで下さい!」
 アルベルトは細剣を水平に突き出した体制でモンスターに突っ込んだ。剣の切っ先がモンスターの身体を抉ると同時に、剣を思いっきり引き抜く。間髪入れずにアタシの大剣が薙ぎ払った。アルベルトとアタシが付けた傷が十字を形作り、その威力が数倍に跳ね上がる。
 モンスターが倒れて動かなくなると、アタシ達は同時に息を吐いた。
「す……凄い……」
 見習い騎士ラファエルが、アタシ達の連携を見て、驚嘆する。
 ……アタシとアルベルトは、ミルザブールを治める公爵のテオドールさん、そしてオイゲンシュタットの騎士見習いラファエルと共に、モンスターが巣食ったと言う旧砦跡に来ていた。
 何でこんな事になっているかと言うと、まぁ簡単に言うと“騎士の誇り”とか言うモノの為で、ソレを守る為にモンスターを駆除しなければならないらしい。
 アタシに言わせれば、“誇り”だの何だのとぐだぐだ言うまでも無く、生活の驚異となるものは排除すべきモノだと思うけどねぇ。ソレこそが“戦士”なんだから。今まで“騎士”も同じだと思っていたんだけど……正直、ガッカリだねぇ。まぁ、今一緒に居るテオドールさんやラファエル、それにオイゲンシュタット公のハインリヒさんは違う、かねぇ。
「よし、次も油断せずに行くぞ」
 その場に居た最後のモンスターを斬り伏せ、テオドールさんはそう宣言した。 騎士団の「騎士の剣」と称されるだけあって、テオドールさんの剣の冴えはアタシも思わず感服してしまう。流石に体力面では衰えは見せるものの、“老いてなお盛ん”を体現している様な人だ。
 見習いのラファエルはまだまだ未熟な面が目立つけど、筋は良い様だね。まだ見習いとは言え、ハインリヒさんが将来を期待していると言うのも分かる。
 そして、アルベルトとアタシ。
 砦跡に巣食っているモンスターの数は多かったが、この四人で力を合わせ、次々と駆逐して行った。確実にモンスターは減って行っている。
「この奥に居るので最後の様だな」
 砦の地上部分に居たモンスターは、既に全滅。残っているのは地底のこの奥に居る数匹だけ。
「じゃあ、さっさと片付けて戻ろうか」
 アタシの声に、残りの三人は頷く。四人は顔を見合わせた後目配せをし、そして突撃した。

 こうして“騎士の誇り”は守られた。
 アタシ達はテオドールさん達に感謝され、幾ばくかの謝礼を貰った。断る理由も無いので、ソレを素直に受け取る。
「あぁそうだ。チョット訊きたいんだけど、“竜の庭”って聞いた事無いかい?」
 ふと思い出し、アタシは“竜の庭”の事を尋ねた。
「“竜の庭”? さぁ……私は聞いた事も無いが……」
 申し訳無さそうにテオドールさんが答える。まぁ、元々あまり期待はしてなかったけどね。けど……何だかね、テオドールさんの後ろに居たハインリヒさんの様子が少しおかしかったのが気になった。

 ミルザブールから船に乗り、ヨービルへと向かう。そこからアルツールを通り、アタシ達は遂にローザリア王国の王都クリスタルシティへと辿り着いた。アタシの“アルベルトを送り届ける”と言う使命は、とりあえずの終わりを迎える。
「アルベルト、アルベルトか」
 クリスタルパレス――ローザリアの王城――の玉座に座る“殿下”ことナイトハルト王子は、アルベルトの姿を見るなり立ち上がってそう叫んだ。
「殿下……」
 アルベルトも考え深げにそう呟く。殿下もそんなアルベルトを見て頷いた。
「すまないが、皆席を外してくれ」
 殿下は側近に向かってそう命じた。
「そなたも……頼む……」
 殿下はアタシに向き直ると、アタシにもそう嘆願した。言われるがままに、玉座の間を後にする。
 バタン!!
 ……うぅぅ……うわぁぁぁぁぁっっ!!!
 扉を閉めると同時に、アルベルトの悲しい叫びが聞こえた。
 アタシは……アタシは、ただ……立っている事しか出来なかった。

「シフさん、今まで有り難う御座いました。ここでお別れです」
 クリスタルパレスを出た後、アルベルトはアタシにそう言った。
「はぁ? 何だって?」
 イキナリそんな事を言われて、アタシはつい間抜けに返答する。
「ここまで一緒に付いて来て下さって、心強かったです。感謝の言葉もありません。でも・・・これ以上迷惑は掛けられません。私は姉さんを探しに行かなければなりません。イスマスには姉さんの遺体は無かった。姉さんは……姉さんはきっと何処かで生きている!」
 アルベルトの瞳は希望に生き生きとしていた。
「それに……シフさんにも「“竜の庭”を探す」と言う目的があるでしょう?」
 確かにそうだ。だけど……。
「先程、殿下にも尋ねてみました。……少なくともローザリアには“竜の庭”は無いそうです。でも、私はローザリアを中心に行動するつもりです。シフさんが私と行動を共にしていたら、“竜の庭”を探し出す事はずっと先になってしまいます。私は……私は……これ以上迷惑を掛けたくないのです」
 搾り出す様な声でアルベルトは告げた。
 ……あぁ、そうか……。アンタも辛いのか……アタシだけじゃ無いんだねぇ……。
 出会った時はつい“坊や”って呼んでしまう程だったアンタが……今は、こうやって自分の意見をハッキリと告げる程“男”になっていたんだねぇ……。ハハ……何だか、寂しいよ。弟みたいに思っていたのにさ。
「分かった。アンタがそう言うのなら、アタシは……別に構わないよ。少し寂しいけど、ここでお別れ……そう言う事にしようかね」
 アタシは務めて明るい声でそう言った。そうでもしないと気持ちが顔に出てしまいそうだった。
「はい」
 アルベルトは右手を差し出した。アタシはその手に自分の右手を合わせる。がっちりと握手が結ばれた。
「いつかきっとまた会う日が来るでしょう。その時まで……お元気で」
 笑顔でアルベルトは言う。けど、その笑顔は少々歪んでた。
「アンタもね」
 そして、アタシ達は互いに背を向けて歩き出した。
 いつかまた再会する時、その時は笑顔で再会を喜ぼう。
 アタシは、遠ざかるアルベルトの気配を感じながら、心の中でそう誓った。


~ 続く ~


 
■次回予告!!

アルベルトと別れたシフは、“竜の庭”の手掛かりを求め、世界を旅する。
その旅で、シフは意外な人物と出会い、運命の皮肉さを痛感するのであった。
次回、~ アマゾネスシフの蛮勇記 ~
~ 第4話 絡め取られる運命 ~
その女性にアイツの面影を見る……。
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