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2006年04月05日 [00:10] シフ蛮勇記(小説?) 

シフ蛮勇記 第6話  再会、ディアナとナイトハルト

限りなくブル~なmyはーと。

オハヨウゴザイマス、Masです。

未だにネット不調なので、コレ行きます。
 
 
 
~ アマゾネスシフの蛮勇記 ~


~ 第6話 再会、ディアナとナイトハルト ~




 ホーク達と別れた後、アタシとディアナは、ニューロード沿いを旅していた。ノースポイント、ウソ、を経由し、クリスタルシティに辿り着く。
「あぁ……ようやく、辿り着いた……ローザリア……」
 クリスタルシティの門をくぐると、ディアナは感慨深げに呟いた。その瞳には、うっすらと涙が浮かんでる。
 無理も無い。故郷のイスマスが陥落し、両親とは死に別れ、只一人生き残った弟とも生き別れになり、紆余曲折を経てワロン島まで行く羽目になってしまったんだ。あまり詳しくは聞かなかったけど、アタシと出会う迄に色んな事があったんだろう。
「これからデンカの所に行くんだろう? アンタの“イイ人”らしいじゃ無いか」
「え、えぇ……。そんな……イイ人だなんて……」
 アタシがそうやってディアナをからかうと、この娘にしては珍しく頬を染めてたじろいだ。普段はクールな感じだけど、こんな表情も見せるんだねぇ。アルベルト共々、アタシは益々この姉弟を気に入ってしまった。
「それじゃあ、まずはアンタの旦那の所へ行こうかね」
「“まだ”旦那じゃありません!」
「“まだ”と来たか。いや、アツイねぇ」
「シフさん!」
 頬だけじゃ無く、顔を真っ赤にして、ディアナはアタシに抗議する。そんなディアナを、アタシは“可愛い”と思った。

「ディ……アナ?」
 クリスタルパレスの玉座の間。
 アタシとディアナが姿を現すと、ナイトハルト殿下以下、玉座の間に居並ぶ面々は驚きの声を上げた。ディアナは、デンカの姿を見るなり軽く一礼をする。
 玉座に座っていたナイトハルト殿下は、席を立つとディアナの元へ駆け寄って来た。そして周りの目を憚らず、二人はひしと抱き合う。
「ディアナ……。よくぞ……よくぞ生きて……」
「はい、殿下。ディアナはここに」
 ディアナの、そしてナイトハルト殿下の瞳からは、涙が溢れていた。アタシを含め、居並ぶ面々は、思わず貰い泣きをしてしまう。“漆黒の悪魔”と恐れられているデンカも、涙を流すんだね。でも……本当に良かった。
「アルベルトを逃がす為に、一人で竜に向き直ったと聞いた時は、正直あきらめてしまった。竜と戦って生き延びるとは……。そなたの悪運もなかなかのものだな」
「あら殿下。竜でしたら、そちらのシフさん達と一緒に倒しましてよ」
「ほお……そなたも腕を上げたな。流石に“薔薇の騎士”の一員の事だけはあるな。今度手合わせでも願おうか」
「手加減は致しませんよ、殿下」
「もちろんだ」
 抱き合ったまま、そんな会話をするディアナとデンカ。あ~あ、何だかねぇ……見ているこっちが気恥ずかしくなるよ。
「そんな事より……いつまでそうしているんだい、お二人さん」
 アタシがそう言うと、二人は「抱き合っている事に今気付いた」とばかりに驚きの表情を見せ、慌てて離れる。だけど、二人とも顔を真っ赤にしていた。ははっ、何だか可愛いねぇ。これがかの“漆黒の悪魔”と、その未来の奥方なんてね。
「アルベルトは今どうしているか知っているかい? 確か、ディアナを探す為にローザリアを歩き回っている筈だけど?」
 アタシがそうデンカに問うと、ディアナがハッとした表情になった。
 ――もしかして……デンカに再会した喜びで、弟の事忘れていたか、ディアナ? ……まぁ、気持ちは分からないでもないけどね。
「そうです、アルベルトは? 無事だと聞いて急ぎ戻って来たのです!」
 そう言って、詰め寄るディアナ。
 詰め寄られ、少したじろぐデンカ。
 ――……今更取り繕っても、遅い気がするよ、ディアナ……。それにしても、相手がデンカなのに、ディアナの方が押しているじゃ無いか。こりゃあ将来、尻に敷くかもね。
「少し前に、アクアマリンの探索を命じてそれの報告に戻って以来、姿を現さぬ。噂では、クジャラートのアサシンギルドを壊滅させ、騎士団領では“名誉騎士”の称号まで贈られたそうだ。アイツめ、ローザリアだけでなく、各地で色々と動いているようだな」
 デンカの声は、心なしか弾んでいる気がした。ディアナと再会した喜びか、未来の義弟の活躍が素直に嬉しいのか、多分両方なんだろうね。
「では、あの子が今何所に居るのかは分からないのですか?」
 ディアナは再びデンカに詰め寄る。
「まぁ待て、ディアナ」
 デンカはディアナの肩を、ぽんぽん、と二度程叩いて落ち着かせた。それでディアナは気付いた様に一歩下がる。
「今の居場所は分からないが、アイツの事だ、その内何かの報告がてら此処に来るだろう。そなたは、ただアルベルトの帰りを待てば良い」
 デンカは、ディアナの手を取った。
「此処で、私と共にな」
「殿下……」
 ディアナとデンカは見つめ合う。
 ――……この場に、アタシ他臣下の面々が居る事を分かっているのかね、この二人は。
 全く、“二人だけの世界”を作っちゃって、オアツイ事だねぇ。ほら、他の人達も、どうしたら良いのか、分からなくなっているじゃ無いか。
 二人の姿を見ていると、何だか、騎士団領のラファエルとコンスタンツを思い出してしまったよ。アタシ達の前ではあまり表には出していなかったけど、ミルザブールにハインリヒさんとラファエルと、そしてアルベルトと一緒に行った時、ラファエルとコンスタンツはお互いに目配せし合っていたっけね。
 あ、そう言えば……アタシは騎士団領に行くつもりだったんだっけね。いけないいけない。つい、二人にあてられて忘れてしまっていたよ。
 ……さて、ディアナは無事にデンカと出会えたし、アタシは騎士団領に向かうとしようかね。
 ディアナは此処に、と言うよりデンカの傍に残るだろうね。ディアナが行くと言っても、デンカが引き止めそうだ。
 まぁ、お別れさね。
「さあ、アタシはそろそろ行くよ。邪魔したね」
 アタシはそう言ってディアナ達に背を向ける。
「シフさん!」
 ディアナの声に、アタシは顔だけ振り返らせた。
「良かったね、ディアナ。愛しのデンカと再会出来て」 
「もうっ、シフさん!」
 ディアナは顔を真っ赤にして、抗議する。ははは、此処に入る前と同じだね。うん、戦いの時の凛々しいディアナも素敵だけど、アタシはこっちのディアナの方が可愛くて好きだな。
「ハハハッ、またね」
 そして、アタシはクリスタルパレスを後にした。

 ヨービルの港は、海からの風が爽やかに吹いていた。
 水平線の向こうには、薄っすらと“魔の島”の影が見える。
 アタシは船を待つ間、水平線を眺めながら色々な事を考えていた。まだ見ぬ“竜の庭”、そして父さんの事を……。
「シフ様……ですか?」
 佇むアタシにそう声を掛けたのは、簡略式の鎧に身を包んだ、戦士風の男だった。
「そうだけど……アンタは?」
 アタシは男にそう答える。それを聞き、男は顔を輝かせた。
「良かった、貴方を探していたのです」
「探していた? アタシを?」
「はい、私はオイゲンシュタット騎士団所属の従騎士トールと申します。貴方に我が主ハインリヒから言伝を請けたまっております」
「ハインリヒさんから? 何だい?」
「はい、実は……」
 従騎士トールが伝えて来た言葉は、アタシを驚かせるに十分な内容だった。

『テオドール乱心、騎士団領は内乱の危機にあり』

 アタシは、逸る気持ちを抑え切れず、水平線へと目を向けた。
 ――テオドールさん、何故……?
 考えても、答えは出なかった……。


~ 続く ~


 
■次回予告!!

「テオドール乱心、騎士団領は内乱の危機にあり」
ハインリヒからの言伝は、シフを驚かせた。
あのテオドールさんが、乱心? どうして……?
急ぎ騎士団領へ向かうシフ。その地にて、シフはある人物との再会を果たす。
テオドールの真意は? 内乱の動向は? そして、シフの取る道とは?
次回、~ アマゾネスシフの蛮勇記 ~
~ 第7話 騎士団領動乱 前編:再会 ~
人は……変わってしまうものなのか……。


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