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2008年01月08日 [00:00] 想記 

3度死んだ男(夢) ~1度目の死~

「初夢」は見ていない(もしくは覚えていない)のです。

オハヨウゴザイマス、Masです。
 
 
 
 俺は猛スピードで車を走らせていた。
 何故?
 それは俺自身にも分からない。
 ただ、走らなければならない、という事だけが俺の意識を支配していた。
 真夜中の道……
 それも、街灯さえもまばらなこの道……
 車のライトを点けても尚暗いこの道……
 それでも……
 俺は走らなければならなかった。
 車に乗っていたのは俺だけではなかった。
 助手席に俺とは対照的な細い体格のガラの悪い男が座っている。
 その姿を横目に見ながら、俺の心にある疑問が浮かんでいた。
 誰だコイツ?
 本気で知らん!
 見た事も無いし、俺の性格上、こんな奴と面識は持たないと思う。
 最初一瞬見た時は、朋友かな? とも思ったが、
 奴はこんなに悪い人相はしていない。
 全く以って、このガラが悪いのは一体誰なんだ?
 車を走らせている理由が分からないのも嫌だが、
 俺にとっては、見ず知らずの奴と一緒に車に乗っている事実の方がもっと嫌だ!
 ……そんな事を考えていると、そいつが話し掛けてきた。
「Masさん、上手く行きましたね」
 その一言でいくつか分かった事がある。
 俺はコイツにとっては「さん」付けで呼ばれる立場である事。
 今の状況は何かをした後で、それが上手く行った事。
 その"何か"とは、コイツの口調から"良からぬ事"である事。
 そして、俺はコイツが"何か嫌い"だという事。
 それでも――それでもコイツとつるんでいる事。
 そこまで分かって、自分で自分が嫌になる。
 ……一体、何をしでかしたんだ、俺は?
「あぁ、そうだな……」
 俺は適当に相槌を打つ。
 無視するという選択もあったが、言葉を返す事によって何か情報が掴めないか、と考えた。
「Masさんはこれからどうするんです?」
 案の定、隣の男は再び話し掛けてくる。
 だが、どうするも何も、俺は何も分かっていない。上手くはぐらかし話を合わせなければ……
「お前は?」
 ナイスな切り返しだ、俺。
「そうっすねぇ……」
 隣の男はそう言うと、少し考えてから得意満面な顔で続きを言う。
「俺はこの金で高飛びかな。これだけあれば、もう一生遊んで暮らせるっしょ?」
 ……なるほど。
 俺は、いや俺達は、どうやら何処からか金を盗んで来た帰りらしい。それも結構な額を。
 ……何て事をしたんだ俺は……
 日本という国では強盗の成功確率なんて限りなく低い。
 俺は自分自身の身体能力も熟知しているつもりだ。俺の身体能力ではそんな事が成功するとは思えないし、盗んだ後の逃走手段が車だと? ましてや、隣のいかにも馬鹿っぽい男が一緒だ。待て待て、というと他にも仲間が居そうだぞコレは。もしかして、俺等は今、そこへ向かっているのか?
 ……
 …… ……
 …… …… ……何だって?
 じゃあ、今の……俺等の今の状況は……
 今までの情報が俺の脳内コンピュータにインプットされる。そして、それ等の情報を踏まえた結果、一つの結論が導き出された。
 つまり……
 俺達は成功していない! 上手く逃げていると見せかけられて泳がされている! そう……
 今! 確実に! 俺達は! ロックオンされている!!
 ……再び自分が嫌になる。
 だが、そう結論付けたからには行動を起こさなければならない。
 即ち、隣の奴を囮にして逃亡!!!
 今の俺には、隣の奴にも、他にも居るであろう仲間にも、義理は無い!
 つまり、こいつ等を蹴落としても全く心が痛まない!
 そうと決まれば善は急げ、だ。
 まずはこの車と荷物として載っているであろう金の存在がネックだ。
 俺の導いた結果が是であれば、この車はマークされているだろうからな。
 少し前の俺ならイザ知らず、今の俺にとってこの金は"要らない物"だ。
 ならば、車と金、更に隣のコイツをまとめて"処分"する事が最善の策だろう。
 ……
 …… ……
 …… …… ……よし、腹は決まった。
「あのな……」
 俺が隣の奴に話し掛けようとした時だった。

 キキーーッ!! プァーーッ!!

 ドガッ!!

 あまりにもベタな音、更には大きな衝撃と共に視界が暗くなった。

 こうして……
 俺は1度目の"死"を迎えた……


 ~ 多分続く ~
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