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2008年01月10日 [00:00] 想記 

3度死んだ男(夢) ~2度目の死~

リディアはLv80で「メテオ」を覚えました。

オハヨウゴザイマス、Masです。

『3度死んだ男(夢) ~1度目の死~』 の続きです。
 
 
 
 ……
 …… ……
 …… …… ……真夜中の道……
 それも、街灯さえもまばらなこの道……
 車のライトを点けても尚暗いこの道……
 気が付けば、俺は猛スピードで走る車の運転席に居た。

 ……何だこれは?

 俺は自分に問い掛ける。
 同時に、つい今さっきの光景が蘇る。
 目の前に迫るダンプ、そして暗転――
 そう、俺の運転する車は、センターラインを乗り越えて来たダンプに追突した。
 そのダンプはセンターラインを越えてこちらに向かって来たダンプ。
 ――そのハズだった。
 その時の衝撃も身体が覚えているし、視界が真っ暗になるあの感覚も覚えている。
 実際、その所為で身体が恐怖で細かく震えている。
「Masさん、上手く行きましたね」
 そんな俺の心情の中、聞き覚えのある声が横から聞こえてきた。
 ちらりと横目で見ると、先程から横に座っているガラの悪い奴がこっちを見ている。
 コイツはまた同じ事を言っている。
 少し前に同じ事を言っただろうが!
 自分が言った事も覚えられないのか、この馬鹿は!

 ……いや……

 ……ちょっと待て、何かがオカシイ。
 今走っているこの道、この道はさっきも通らなかったか?
 勘違い……では無い。
 確かに、俺はついさっきこの道を通った。
 そして、さっきと同じコイツの台詞……
 俺は確認の為、さっきと同じ言葉で答える。
「あぁ、そうだな……」
「Masさんはこれからどうするんです?」
 同じだ。
 前と同じ……
「お前は?」
 声が震えそうになるのを押さえながら、再び俺は返す。
「そうっすねぇ……俺はこの金で高飛びかな。これだけあれば、もう一生遊んで暮らせるっしょ?」
 やはり同じ事を答える。少し考えてから得意満面な顔で言う所も全く同じ。
 もはや、間違いない。

 俺は前と全く同じ時を生きている!

 ガクガク……!
 身体が震える。
 この震えは何だ?
 生きている以上、「死」以上の恐怖は本来無いハズ。
 そう、俺は一度死んでいる。
 なのに……
 この心の底から来る震えは止まらない。
 ガクガクガク……
 ダンプに追突した時の恐怖なんか比べ物にならない。
 それに比例して、震えも大きくなる。
「どうしたんすか、Masさん?」
 俺が震えているのに気付いたか、隣の奴が訊いて来た。
「いや……」
 俺は曖昧な言葉で返す。というより、他に言葉を返しようが無い。
 この震えの意味はコイツには分からない。
 説明する気にもならない。
「あ、もしかして喜びにうちふるえているとか? そうっすよねぇ、これだけの大金っすもんねぇ」
 なるほど。今の状況、コイツにはこう見えているのか……
 丁度良い、そう言う事にしておこう。
「あぁ。こんな大金、見るのも初めてだからな」
「分かります! 俺もそうですもん」
 コイツの言葉なんぞ俺の耳には全く入っていない。ましてや、その内容も頭には入っていない。
 なぜなら、俺の頭は、これから起こるであろう事でいっぱいだったからだ。
 以前と全く同じ時を生きている――ならば、これからこの車はある惨劇に遭う。
 その惨劇を回避しようと、俺は車のスピードを上げた。
 このまま走り続ければ、この車はダンプがセンターラインを乗り越える前にその場所を通り過ぎる筈だ。
 案の定――
 俺達が走り去った後ろで、ソレは起こった。
 良かった……
 俺はホッと胸を撫で下ろす。
 気が付けば、震えも止まっていた。
 はは……
 ははははは……
 身体の奥底から歓喜が湧き起こってくる。
 俺は――

 俺は"死"を回避した!

 何でさっきはあんなに震えていたんだろう?
 以前と全く同じならば、それを回避する事が出来る!
 そう、これはチャンスなんだ!
 生き残る為のチャンス!
 はは、何だ……

 恐怖する必要も理由も全く無いじゃないか!

 恐怖どころか、むしろ、チャンスがある事への喜びがあるべきだ!
「はははははっ!」
 思わず、声に出して笑う。
 隣のヤツが怪訝な顔でこっちを見るが、そんなの関係無い。
 生き残った。
 俺は生き残った。
 今度こそ、歓喜で俺の身体は震える。

 だが……

 俺は、一つ大きな事を見落としていた。
 前の"生"で、俺は気付いていた。

 確実に、俺達は、ロックオンされている!!

 その事をこの時の俺は失念していた。
 気が付けば、俺達の乗った車は複数の車に囲まれていた。
 前後左右にピッタリと。
 何処にも逃げ場は無い。
 右に付いた車のドアミラーが下りた。
 そこから除くのは……黒い筒――銃口。

 あっ、と思った時には手遅れだった。
 銃声。
 そして、衝撃……

 こうして……
 俺は2度目の"死"を迎えた……
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