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2006年05月16日 [20:04] ジャミル探求記(小説?) 

ジャミル探求記 第5話  四天王のお使い 後編:謎の男と聖戦士 

いきものがかりというバンドが気になる今日この頃……
 (↑『BLEACH』のEDテーマ『HANABI』が好きw)

コンバンハ、Masです。
 
 
 
  
半月以上ぶりに、本日はコレ。




~ 義賊ジャミルの探求記 ~


~ 第5話 四天王のお使い 後編:謎の男と聖戦士 ~




 生贄の娘(ウハンジの娘)との交換条件として、水竜は「アディリスから“雨雲の腕輪”をかえしてもらって来い」と言って来た。
 その要求を果たすべく、ベイル高原のグレートピッドに居るアディリスに会いに行った所、アディリスからは「スカーブ山のタイニィフェザーから“疾風の靴”を借りて来てくれ、そうすれば“雨雲の腕輪”を渡す」と言われた。
 嫌な予感がしつつ、スカーブ山のタイニィフェザーの所へ行くと、今度は「トマエ火山のフレイムタイラントから“火神防御輪”を借りて来てくれ、“疾風の靴”はそれと交換だ」と言われ……。
 そしてリガウ島に渡り、トマエ火山の地下深くに居るフレイムタイラントに会うと、「“アイスソード”と言う、我には都合が悪い武器がある。それを持ってきてくれたら“火神防御輪”を渡そう」と言われた。
 ……嫌な予感が的中し、おれの心は思いっきり沈む。
 ……おれの名はジャミル。元々は……いいや、面倒くせぇ。とりあえず、盗賊だ。
 ……。
 ……あ~、“アイスソード”って言ったら、バーバラと再会したあの街、アルツールの装備屋の目玉商品として売っていた筈だな……。金ならウハンジからせしめ……もとい、前金としてたんまりと頂いてあるし、それを使えば何とかなるだろう……。いや、何とかしなければならない! でないと、今までの苦労が水の泡だ!

 ヨービルの街を、夕日がオレンジ色に染めていた。
 日も落ちて来た事だし、今日はここの宿に泊まり、明日アルツールへ出発する事となる。宿に荷物を置いて、おれは一人波止場までやって来ていた。適当に突堤に座り、彼方の水平線を眺める。
 ――何やってんだかなぁ……おれ……。
 ここまでの経緯を思い出し、おれは一人心の中で呟いた。
 ――これじゃあ“たらい回し”だ! 単なる“お使い”よりもヒデェじゃ無ぇか!
 まぁ……そうは言っても、この“お使い”をこなさなければ生贄にされた娘は戻っては来ず、交換条件たる例の本の所在も分からないまま。だから、この“たらい回し”の“お使い”は引き受けるしか無いんだが……。
「はぁ……」
 今度は大きく溜息を吐く。
「……俺は……誰だ?」
 ――?
 おれが溜息を吐くと同時に、そんな声が聞こえて来た。声がした方へ向くと、一人の男が海の水面を見ながら、一人呟いている。
 ――何やってんだ、あいつ……?
 あまりにも奇妙なその男の様子を、おれは横目で観察した。かなり長い間、男は水面に向かって先程と同じ言葉を繰り返し呟く。
 ふと、男がおれの視線に気付いたのか、こちらを振り向いた。ここで慌てて視線を逸らすと却って怪しいので、おれは視線を変えず座ったままの姿勢を維持する。どうせ見た目には視線は海の方だ。白を切れば何て事は無い。
 男はこちらに向かって歩いて来た。おれは平然とした態度をしながらも、しっかりとレイピアの柄に右手を添える。別に何が起こると言う訳じゃあ無いが、用心に越した事は無い。
 男はおれのすぐ隣まで来ると足を止めた。背筋に緊張が走る。
「……お前は……俺を知っているのか?」
「は?」
 予想だにしなかった男の言葉に、おれはつい間抜けな声を出してしまった。
「……お前は……俺を知っているのか?」
 男は再度同じ問いを繰り返す。おれはそれに答える前に、男を注意深く観察した。
 殺気も、気配さえも希薄な男。顔の半分を布で隠し、表情は見え辛い。僅かに覗く肌は病的に白く、だがこちらを見る瞳は生命力に溢れていた。長い髪は赤みが強く、額から後ろに流している。赤黒い、まるで血の様な色の衣装に身を包んだ身体は、細身ではあるが引き締まっている様だった。ただ立っているだけである筈なのに、そこにはスキと言うものが存在しない。
 ――おれと同類……じゃ無ければ……まさか?
 ある種の人間達の姿を想像し、おれは更に緊張を高めた。
 そんな事を考えている間、男はおれの方をじっと見ている。どうやら、自らの問いに対する答えを待っている様だった。
「いや……初めて、だと思うぜ?」
 慎重に言葉を選びながら、おれは答える。
「そうか……俺を知らないか……。俺は……誰なんだ?」
 男は明らかに落胆し、肩を落とした。その様子は先程までのスキの無い立ち姿と違い、スキだらけだ。仮にこいつがおれが想像した様な奴であれば、決してこんなスキだらけの状況は作らない。
 ――気のせい……か?
 おれは緊張を幾分か和らげた。だが右手はまだレイピアの柄に添えたままだ。
 気が付くと、日はかなり落ちていた。もうすぐ完全に落ち、闇の世界となる。
 おれは宿に戻る事にした。海に背を向け、宿へと道を進む。
 コツコツコツ……。
 カツカツカツ……。
 トットットットッ……。
 タッタッタッタッ……。
「……」
「……」
 おれの後ろに、ぴったりと男が付いて来ていた。おれが立ち止まると男も立ち止まり、走ると走り出す。何度か捲いて男の姿が見えなくなっても、次の瞬間には後ろに立っていた。
「……何のつもりだ?」
 おれは男を捲く事を諦め、根負けした形で男に尋ねる。
「お前と共に居れば、俺は何か思い出せそうな気がする……」
「……はぁ?」
 これもまた予想だにしない返事が返って来た。……つくづくおれを驚かせるのが好きな奴だ。言っておくが、これは皮肉だぜ。
 ――こんなの相手してられるか!
「いや、悪いんだけどよ。おれはあんたの事を知らないし、あんたの手助けも出来るとも思えない。分かったら、他を当たってくれ」
 出来るだけ言葉を選び、だがハッキリと言った。
「そうか……」
 そう言うと、また肩を落とす。それっきり、男はもう付いて来なくなった。
 だが後日、おれは意外な形でこの男と再会する事になる。本当、おれを驚かせてくれるぜ、全く……。

 数日後、おれ達はアルツールに辿り着いた。
 宿を決めるのも後回しに、早速装備品屋へと向かう。
 だが、目的のアイスソードは売り切れていた。
 ――何てこった……。
 アイスソードが手に入らなければ、結局の所生贄の娘を救い出す事も、報酬も貰えなくなる。新たなアイスソードを探す時間も無い。何としてでもここで手に入れる必要があった。
 誰が買って行ったのか尋ねるおれ達に、店員は「さぁ?」を連発するばかり。仕方無いので、アルツールの人々に訊いて回った。あれだけの武器、街中を持って歩いていたら目立つだろう。
 そして、おれ達は店の前に居た女性から、ガラハドと言う男が買って行った事を突き止める。更にその男が先程までPUBに居た事まで確認できた。まだ近くに居ると判断し、アルツール中を探し回る。そして、遂にその男を見つけた。
 ゴツイ鎧に身を包み、頭頂部を剃り上げた厳つい男――ガラハドは、おれ達がアイスソードの事を尋ねると、それはもう嬉しそうにアイスソードの事を話した。その様子は、まるで自分の子供を自慢する親馬鹿な親の様。
 ――何か、自分の子供を自慢する、馬鹿親みてぇだな。こりゃあ、ちょっと無理っぽいかな?
 駄目で元々、おれ達はガラハドと交渉をする。
「駄目だ、これだけは幾ら積まれても譲れない」
 予想した通りの答えが返って来た。
 このガラハドと言う男が、頑固で、更にはとてもアイスソードを気に入っている事は、その様子から窺い知れる。例え十万金が目の前に積まれたとしてもアイスソードは手放さないだろう事も容易に想像出来た。まぁ、仕方無いか。
「それには、人の命が掛かっているんです。その剣を持ち帰らない限り、その女性は一人で……無理な事をお願いしているのは承知しています。ですが、どうか、どうかお譲り下さい」
 おれが他の方法を考えている中、坊ちゃんのアルベルトが、何故自分達がアイスソードを欲しているのかの理由を説明し、尚もしつこく食い下がっていた。
 ――そんなんで落ちる様なら、おれも苦労しねぇんだがなぁ……。
「……仮に、貴公の言うとおり、この剣に人の命が掛かっているとしよう。だが、それを私に証明する手立ては貴公にはあるのか?」
 “人の命”と言う単語に反応し、ガラハドがこちらの話を聞こうとする様になった。こうなりゃ、巧く丸め込んで、フレイムタイラントの所に一緒に来てもらおう。
「今ここで証明は出来無ぇが、一緒にフレイムタイラントの所へ来ちゃくれねぇか? そうすれば、おれ達の話が真実か分かるだろ? あ、もちろん途中の支払いはすべてこっちが持つぜ。なんだったらおれ達の護衛と言う事で報酬を払っても良い。どうだい?」
 そして、おれは金額を提示する。
 ――まぁ、払うのはウハンジの懐からだけどな。
「……分かった。貴公等に同行しよう」
 少考後、ガラハドはそう答えた。
「改めて自己紹介しよう。我が名はガラハド。人は聖戦士とも呼ぶが、聖人とは程遠いな。このアイスソードで更なる神への奉仕を実践するつもりだ。よろしく頼む」
 ガラハドはアイスソードを左手に持ち替え、右手を差し出す。
「あぁ、こちらもよろしく頼むぜ、聖戦士ガラハドさんよ」
 差し出されたガラハドの右手を握り返しながら、おれは心の中で舌を出した。

 ……そして今、おれの手元にはあの本がある。
 あの後、フレイムタイラントの所に行った際、問答無用でアイスソードを奪われた。その時のガラハドの表情を思い出すと、ちょっとは良心が痛む。まぁ、その後気落ちしながら去っていくガラハドに、“侘び料”として三万金――もちろん後で“必要経費”としてウハンジからせしめた――を渡したけどな。
 ……更に、タイニィフェザーに火神防御輪を渡しに行った際の事だった。
「最近、カクラム砂漠の上を飛んでいると、タラール族が大勢砂漠を北へと移動しているのを見たぞ」
 タイニィフェザーはそう言ったのだった。
 居ても経っても居られなくなったアイシャを何とか宥め、おれ達はその後もアディリス、水竜に各々の目的の物を渡して、無事にウハンジの娘を取り戻した。
 あ、そうそう。“お使い”をした事で、“たらい回し”のアイテム以外にも四天王それぞれが自らの司る属性の武器をくれた。しかも、「ピンチの時、この武器を持って念じるが良い。気が向いたら助けに行こう」との心強いんだかどうかが微妙な言葉を賜ったんだが……本当に来てくれるのか? 正直、かなり不安があるんだが……。
「あった、ここだ……」
 おれは探していたページを見つけ、アイシャとアルベルトに見せた。
 ~~~
 大砂漠の北、砂が流れ行き着く場所、
 更にその地中深くに、大地の母たる神の社ありき
 其に眠りしは、土の力を司る大いなる石なり
 ~~~
 大きな宝石が中央に描かれたそのページには、その宝石を崇めるかの様に地に伏している人々の姿と、この様な一説が載せられていた。更に人々には『タラール族』と書かれている。
 大砂漠の北――これはタイニィフェザーの言葉とも一致する。
 砂が流れ行き着く場所――恐らくは、“流砂”の事だと思う。
 土の力を司る大いなる石――ディステニィストーン『土のトパーズ』に違いない。
 つまりは――“大砂漠の北にある流砂の流れの先に大地母神ニーサの神殿があり、そこには『土のトパーズ』が眠っている”――
 こう言う事だ。トパーズを崇めるタラール族の絵から察するに、消えたタラール族もそこに居る可能性が極めて高い。
「決まり、だな」
 おれはアイシャに向かって笑顔を見せる。アイシャもまた笑顔だった。

 カクラム砂漠の北、そこにおれ達が探すモノがある。
 アイシャは自らの一族。
 おれはディステニィストーン。
 アルベルトだけはまだ探し人は見つからないが、そう遠くない内に巡り会えるだろう。
 だが、そこで自分の運命を見る事になろうとは、おれは夢にも思わなかった。


~ 続く ~



■次回予告!!

カクラム砂漠の北、そこにおれ達の求めるモノがある――
新たにバーバラとダークを旅の仲間に加え、ジャミル達は砂漠を目指す。
その地にて、ジャミル達は自らの運命を知る事になる。
そして、ヨービルにやって来たジャミル達は一人の老人と出会う。
「魔の島へ連れて行ってくれ」そう懇願する老人を連れて、魔の島へと向かうのだった。
次回~ 義賊ジャミルの探求記 ~
~ 第6話 魔の島の邪悪な魔道士 ~
「へへっ……チョロイもんだぜ」



えと……某聖戦士は殺されませんw 
こぉゆぅ流れにしましたw
一応……ねw
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